血ぃ吸われたろか

晴れたり曇ったり あったかかったり寒かったり
結婚しようよーべいべーって感じ。




アサノさんと昼飯を買いに行こうと近くのショッピングセンターに出かけたら献血のバスを見つけた。
注射針を刺されるのが究極に怖い私は献血ヴァージン。興味津々の態でバスの中を覗きこむ。



アサノさんは以前献血をしたことがあるらしい。
献血するとヤクルトがもらえるんですよ』
「へぇ!血と交換にヤクルトがもらえるなんていいですね、おいしいですね」
『小黒さんやったことないんですか?じゃ、やってみます?献血



ヤクルトに釣られて献血することにした。



問診票に書き込み窓口に提出。身長・体重も記入してくださいと言われて焦る。
身長は大体わかるのだが藤沢和雄の調教法よろしくここ何年もまともに体重を測っていなかったのだ。
食べたり食べなかったりで体重増減の振り幅が非常に激しいらしいので目測すらつかない。
50代後半の数字でなんとか勘弁してもらった。
いろいろきいてみると血液が不足していて、今日使う分すら足りないんですよと言っていた。



そして憧れの献血バス内部へ。
じいちゃん先生にもう一度問診を受けて採血。もちろん目線は窓の外。
『小黒さん、注射怖いんでしょ〜』
ニヤニヤ笑うアサノさん。
針が刺さる前後のあの失禁しそうな緊張感にはいつまでたっても慣れるもんじゃない。
注射が怖くない奴の前世はきっとモズのはやにえにされたバッタかなんかだと思う。



そんな怖い思いをしたのだが結局献血はできなかった。
血液中の鉄分がほんのちょっと足りなかったのだそうだ。
アサノさんはアサノさんで血管が細くて針が刺せないとのことで検査ができず、2人仲良く不合格。



「教科書どおりの判断だと軽い貧血と言うことになりますが
このくらいの数値だったら誤差の範囲内といっても大丈夫でしょう。
この程度なら治療の必要もないですよ。また今度調子の良さそうな時に来てくださいね」



がっくりと肩を落とした私にじいちゃん先生が説明してくれた。
献血デヴューだと思っていたのに非常に残念である。
じゃ、この次は献血する前にほうれん草をバリバリ食べてきます、と言ったら
じいちゃん先生はまん丸な顔いっぱいにいい塩梅の笑顔で頷いてくれた。
検査結果は郵送してくれるとのことだったのでこれでO型かB型の完全決着がつく。
痛い思いをした甲斐はここにあったか。



とぼとぼとバスから降りてもう一度受付に行くとお土産をもらった。
ジュースとシャープペンシルと手作りのポーチと歯ブラシが入っていた。
献血できなかったのになんだか悪いなぁと思った。
次に献血バスを見つけたらそのときこそはきっと血を採ってもらおう。
今日の分と次のヤクルトの分ということでたくさん採ってもらおう。