リトル暴威

朝、おそるおそるビッケのトイレを覗くと昨日より2まわり位の大きさのしっこ玉が3個ほど転がっていた。
既に獣医さんの開いている時間だったので電話をして出かけた。
『うーん、オシッコ出てきたのなら膀胱炎だったようだね。オシッコも溜まってないみたいだよ』
先生が腹をグリグリされて唸るビッケを眺めながら言った。カテーテルはナシとのこと。
今日もぷちっと一本注射をされて怒り爆発の黒坊主。


そしてシロチの時と同じように朝晩2回・1週間分の薬が出た。
膀胱炎はクセになりやすいからしっこの出る・出ないに関わらず薬は全部飲ませるようにとのこと。


これから一週間、生傷がどれだけ増えるかと思うと些か気が重いが
その位の辛さ(痛さ?)をビッケも味わってたんだなと思えば我慢できる。


帰宅してケージから出されたビッケは突然ハイになった。
バックアタックで膝カックンをしてきたり、背中を掻く手にローリング噛みつきをしてきたり
15分くらい早送り再生状態だった。
ひとしきり八つ当たりをして電池が切れた彼は台所の冷たい床でPUMAフォームで寝てしまった。
よく見ると口からちょっと舌がはみ出している。しまい忘れちゃったんだな。


『注射よく我慢できました。エライエライ』
無邪気な寝姿に近寄り、頭を撫でようとしたその瞬間。
目をくわっと開いた彼は差し出した私の手を両手両足(爪あり)で捕まえ、がぶりと喰らいついた。
仰向けで噛み付きながら挑発するように人の顔をでっかい目で睨みつける黒坊主。


君、結構根に持つタイプだね。