ごめん

最近よくあたりをうろついている母猫とチビ5匹がいる。
母猫は首輪をしているがひどく痩せていてゴミの日にはゴミ捨て場をあさっている。
子供ができて捨てられたのか、引っ越しで捨てられたのだと思う。
『最後まで面倒を見られないのだから絶対にご飯はやるなよ』
だんなにそういわれていたのでご飯をあげたりはせず、近くにいる時に挨拶をする程度の仲だった。


実家に線香を上げに行った帰り、あまり車通りのない前の道にチビママとチビたちがいた。
挨拶をして帰ろうと思い近づくがチビママはこちらを見ようとしない。
チビたちだけはさっと物陰に隠れた。
チビママは1匹だけ寝たままのチビをずっと舐めつづけていた。
チビは車にはねられて死んでしまっていたのだ。


私は何もできなかった。
ただ固まっているだけだった。
チビママの背中をずっと見ているだけだった。


家に帰り、食事の支度をする。
気がつくと何を誰に謝っているのかごめん、ごめんと呟いていた。