おまへ、もしや・・・

もう一回くらい桜を見に行こうと思いビッケと川沿いに出かけた。
いつものベンチにも人はおらずいい塩梅の暖かさ。
ビッケをおろし昼飯にと買ってきたブリトーとカフェオレをいただきながら今年最後の桜を楽しむ。
この間の変わった様子がまだ忘れられないのかビッケは今日も私のそばを離れない。



しばらく日向ぼっこをしていたら向こうから老夫婦がやってきた。
向こうのベンチがいっぱいだったのでこっちまで来た、とのこと。
あそこの桜はまだ散っていないのよ、向こうのほうはもうすっかり葉桜でね、
おばあちゃんの話を聞いている間にビッケはトートにもぐり込んでしまった。



あいさつをして老夫婦と別れ、公園のほうへ歩き出す。
ビッケや、おじいちゃんおばあちゃんはお前にいたづらをしないよ、怖がることないのに。
ひょこんと出した頭を撫でようとしたら桜の花びらがひとつビッケのおでこに落ちてきた。
おや、男ぶりが上がったねと言ったらもう一片落ちてきた花びらに手を出すビッケ。
動くからおでこの花びらも落ちてしまった。台無しよ。



ビッケが幼少の頃お世話になったママの家の前を通るとママが可愛がっている女の子軍団に遭遇。
皆フレンドリーなので私はすぐに猫まみれになってしまった。
声を聞きつけたママが出てきて久しぶりにビッケを可愛がってもらう。



ビッケの様子がちょっと変である。
あれだけ女の子がいるのに見向きもせず、あろうことか中の1匹に威嚇さえしている。



先週のキャル君との仲睦まじい姿と女の子を威嚇する姿が交互に浮かぶ。
そういえば近所のチビの中で一番仲良くなったクロロも男の子。



野生のやおい



そんなことを考える姉ちゃんは嫌いですか?



妙なことを考えながら帰り道を歩いていたら
近くの外人アパートの住人であろうまつげの長いブラザーなお兄さんにナンパされる。
結婚しちょりますが?といったら『今度会ったときにハーイ!って声かけてもいい?』と言われる。
うん、じゃ私もオリビエ君コニチハー!っていうよと言ったら笑って帰っていった。



帰宅するとママより電話がかかってきた。
さっきのやり取りを見ていたとのことで心配して電話をくれたのだった。
ダイジョウブネー、モンダイナイネー!といったらママが吹き出した。



もう一人のブラザー・ビッケがきょとんとした顔で私の顔を見ていた。
近いうちにまたママに会いにいきたいねえ。