ぼくだってたまには言いたいことがある


ぼくはビッケ。今日で2さいになったんだ。



「お前は6月頃に生まれたんだね、じゃ、黒いから9と6、6月9日が誕生日。決定」
ぼくの誕生日はねえちゃんがすごくかんたんに決めた。
会ったことはないけどちぃちゃんの誕生日もこんな風に決められたんだって。
ねえちゃん、簡単すぎやしないかい?



ぼくにとっては何でもない日だけどねえちゃんには大事なんだって。
今こうしていっしょに暮らしていけるのは当たり前だけど君が生まれてきたから、
ねえちゃんはそれがうれしいから君が生まれてきた日をお祝いするんだ、って力説してる。
ぼくにはよくわからない。人間のことはまだよくわからない。



ねえちゃんはこうも言ってた。
6月9日はビッケの誕生日、10月25日は「小黒さんちのビッケ」の誕生日なんだ、って。
ねえちゃん、何気に記念日が好きなのかなぁ。
でも自分の誕生日は「忘れた」って言ってる。変なの。



プレゼントにかじると気持ちよくなる実をもらったからぼくはもう寝ようと思う。