友来たる。

せっかくのタイトルなので天気の記載は廃止。
天気は一行目に書けばいいやということに今更気付く。
そういうわけで本日は晴れたり曇ったり。



私の上司は先日24歳になったばかりのピチピチの女子である。
入社当時はこれでも足りない頭でいろいろと考えていた。



先ず、つかみはどんな話でいくかが一番大事だと思った。
やっぱりお洋服〜とか化粧品〜とかかなぁと思ったのだが
これが一番の苦手分野な為話を脹らますイメージがどうにもこうにも浮かばない。



じゃ、逆からのアプローチを考えよう
こういう話題はいかがなものかというのをピックアップしていこう、と
非常にパッシヴな態勢で若い女子に挑むことに決めた。



ゲームの話、
微妙にお洒落な(イメージの)K−1、PRIDE系ならまだしもプロレスが好きですとかも
まかり間違っても馳浩のファンなんですとか言っちゃだめとか
週末は浪漫を追い求めて銀球を弾きにいくとか馬だらけの動物園に行くとかもどうかなぁとか



ほぼ私の全部NGじゃないか。



そんなわけで喰い付き所が見つからず
仕事に就いてから1週間は非常におとなしく過ごしていた。
彼女のほうからも派手なアクションは起こしてこない。
まー人が多い会社なんてこんなもんなんだろう、と思い始めたある日。



きっかけはピクミンでした。



ルーチンワークをこなしていると必ず出る私の癖、それは鼻歌。
ふふふふふんふんふふふふふん(赤ピクミンは火に強い)
ふふふふふんふふふふふふふん(青ピクミンは溺れない)
ふふふふふんふんふふふふふん(黄ピクミンは高く跳ぶ)
ふふふふふふふんふふふふふん(紫ピクミン力持ち)
ふふふふふんふふ・・・(白ピクミンには・・・)



ぐわぁ〜



『毒があるんですよね』
お日様のような丸顔でにっこり微笑む上司の女子。



なんだと?
いやいやいかん、ピクミンなんてみんな知ってる癒し系ゲームだ。
こんなネタで警戒心を解いてはならぬ。
”いやぁゲーム好きなんですか?私も好きなんですよアハハハハ”
小黒、この言葉で全てがパーだ。おシャカだ。ゆめゆめ油断するな。



いやぁ〜と頭を掻きながら答えるのが精一杯だった。



『もしかして・・・小黒さんもゲームとかやられるんですか??』



上司の女子にファーストセクシー1億ポイントを取られる。
小黒さん「も」?「も」って??



『実は私ゲーム女なんです。ゲーム大好きなんですよ〜』
上司の女子は実に見事な漢っぷりでカミングアウト。
いやいやいやいや、まだだ。まだだめだ。
お勧めのゲームが殆どくそゲーと評される腐った私だもの。
とりあえずここは相槌を打ってへらへらしておこう。



『小黒さんはどんなゲームをされるんですか?』痛い所を突いてくる娘さんである。
「いやぁおかしなゲームばかりで・・・」小黒これで精一杯。
『えぇ〜?どんなのですか??教えてくださいよ〜』そんなにがぶり寄らないで。
「えーと、トラップを張って人を陥れるゲームとか・・・」



言っちゃった。よりにもよってダークなところ言っちゃった。



小黒のお仕事ライフはゲーヲタの烙印を押されての苦難に満ち溢れたものになるであろう
そう思われた、の、だが



『それって刻命館じゃないですか??』



ほぼ正解。



もうね、ここまで言われちゃったら言っちゃってもいいよね・・・
ケツのシワまで言っちゃってもいいよね・・・



「あと、九龍城を歩き回ってポリゴン酔いするゲームとか・・・」



『あ〜!!クーロンズゲート!!それ私探してるんですよ〜!!』



結局彼女は私が思ってたよりずっとずっとゲーム女さんでした。
そして激しくギャンブラーでした。
それ以外にもとても引き出しの多い楽しいお嬢さんでした。
その後、彼女との一挙に距離は狭まり、いい塩梅な関係になったのは言うまでもない。



ゲームの貸し借りはもちろんのこと
野菜のおすそ分けをしたり鍋をもらったり
料理が上手な彼女に料理を教えてもらったり
お化粧を教えてもらったり
非常に充実したお仕事ライフを送れることとなり今に至る。



【馬には乗ってみよ、人には添うてみよ】
この言葉は本当だなぁと思った。



同朋を発見した喜びを店長にメールで報告すると
《楽しそうな職場でよかったな!で、彼女はかわいいか?襲わないようにな》
最後の一節は余計だって。